Shake Away/Ojo de Culebra
Lila Downs
新譜といっても、発売されたのは数か月前のものですが、
昨日の「ファイナンシャル・タイムズ」の音楽レビューで
彼女についての興味深い記事が出ていたので、少しご紹介。
ご存じの方も多いと思うのですが、映画フリーダで一躍
有名になったリラ・ダウンズは、アメリカ・ミネソタ州出身の教育者の父と、
メキシコ・オアハカ出身のキャバレーシンガーの母を持つメキシカンアメリカン。
幼い頃から、メキシコとアメリカを行ったり来たりの生活だったそうです。
こんな風にもコメントをしています。
Mexico and Minnestoa are a log way apart -
geographically, culturally, climate-wise.
I feel divided within.
But music has enabled me to express that.
ミネソタの大学卒業後は、メキシコに戻り、
人類学者としての道を歩む傍ら、キンセニェーラ(メキシコの成人式)や
結婚式などで、演奏を続けていたそう。
その頃に、社会派シンガーのメルセデス・ソーサの音楽との出会いで、
歌手としての道に本格的に進んでいったそうです。
その偉大なる、ソーサがこの新しいアルバムに参加しているというから驚きです。
ソーサが参加している曲は「Tierra de Luz」。
祖国を離れて暮らす人たちがテーマの曲です。
また、記事の中で、「あなたは、自分をアメリカ人、それともメキシコ人、どちらだと強く感じるか?」という問いかけにこう答えています。
I wish I had all the positive traits from my American upbringing
and all the positive traits from my Mexican one.
From America there is a search for the truth, in and almost Lutheran way,that I hope I am living as a human being.
But, my soul is Mexican.I really relate to my Native American roots.
二つの祖国を持つリラダウンズ。
頭で考えることと、心で感じるものは、やはり相違するところがあるようですが、
だからこそ、彼女が発信できる独特のものがあるのだなあと感じます。
私の旦那がミネソタ出身ということもあり、余計に他人事とは
思えない彼女のコメントや作品たち。
この記事を読んで、改めて新作のみならず、
昔の彼女の作品を聴きこんでみたいと思います。